日本の政策を見直すブログ~主に金融政策について語る!~

一緒に日本の政策について考えよう!

賃上げの問題を中間層へ責任転嫁するとんでもない政策とは!?

当初岸田首相が打ち出した「新しい資本主義」の正体がとんでもないことが分かってきました。
まさに中間層への問題の押し付けです!!
これはとんでもない政策です!!!
「人への投資」や「分厚い中間層の形成」という名目で以下の方針を打ち出しています。

・⼈への投資を強化し、労働市場改⾰を進めることにより、物価⾼に打ち勝つ持続的で構造的な賃上げを実現。
●三位⼀体の労働市場改⾰
・リ・スキリングによる能⼒向上⽀援(5年以内に過半を個⼈経由での給付等)、個々の企業の実態に応じた職務給の導⼊、
成⻑分野への労働移動の円滑化(失業給付制度の⾒直し、モデル就業規則の改正・退職所得課税制度の⾒直し等)。
●家計所得の増⼤と分厚い中間層の形成
・⾮正規雇⽤労働者の処遇改善、最低賃⾦の引上げ(今年は全国加重平均1000円の達成を含めて議論、今夏以降1000円達成
後の引上げ⽅針についても議論等)や地域間格差の是正、適切な価格転嫁・取引適正化、資産運⽤⽴国の実現、資産所得倍
増プランの実⾏。
●多様な働き⽅の推進
・短時間労働者に対する雇⽤保険の適⽤拡⼤の検討(2028年度までを⽬途に実施)、働き⽅改

ここで特に注目するところは、「成長分野への労働移動の円滑化」ということで、「退職所得課税制度の見直し」です。
これは今までは長く働いた分、退職金の控除額が多くなるという仕組みだったものを、これからは控除額を減らそうということです。
行ってみれば、実質的に受け取れる退職金が減るとことになります。

賃金が上がらず、物価高に苦しんでいる労働者に対して、なぜさらに受け取れるお金を減らそうとするのか!?
言わんとしていることは、長く働いていても今まで通りの退職金は受け取れないから、スキルアップしてより高い給料がもらえる会社へ転職するように
促す目論見があることは理解でしました。

ただし、やり方が間違っている!!
別に労働者が不利になるようなやり方じゃなくてもいいじゃないか!と思いませんか?

スキルアップして給料が上がるように努力を促すことはいいことだと思いますよ?
ただしそれを雇用者側に無理やり押し付けるやり方は断固として反対です!!
別に現状を維持しつつ、スキルアップで賃金アップを目指す人がいれば、それを支援する仕組みだけあればいいと思います。
スキルアップして転職するメリットが大きくなれば、おのずと転職する人が増えるはずです。
(日本人の気質や今までの雇用制度上、なかなか転職しないため無理やりにでもやらせたいという意図は理解できますが、これはあまりにも労働者へのデメリットが大きすぎます・・・。)

この政策一つ見ても、政府自身が賃金アップを達成できなからと言って、こちらに責任転嫁していることが分かります。